一人暮らしのコツはありませんぜ

お前、一人暮らし経験は?「ねーよ」え?「ゼロ」ちょ、マジ?年齢教えろ。「知ってるくせに」はぁ。「分った、四十半ば」で、一人暮らし経験は?

「ゼロ。嫌味かっ」現実を見ろっ!「見ても無駄」強情っぱり!「お互い様でぇ!」くっ、もうしらぬ!勝手にせー!「待て」む?

「一人暮らし、必ずする必要、あるか?」無論。「何故?」いずれ、お前の親は…。「む?」くっ、馬鹿を言わせるな!最早、野暮。

「野暮?ちぇっ、肝心な事を黙す阿呆め。腰抜け!」罵れ、幾らでも、絶対言わぬぞ!「けど貴様こそ、一人暮らし、どうじゃ?」俺?何十年と。

「くっ、生意気な」生意気で悪りぃか?「頼む」へ?「コツを…やり方、伝授頼む」突然な願いに、動揺隠せぬわ。「駄目?」駄目とゆーより、コツ…困った。特にねー。

「勿体ぶりおって」別段、勿体ぶっちゃあ…。「今更、我々が遠慮をする必要あるめー」遠慮じゃ!

分った。今度、日曜日、我が家へ来い。さすれば見せようぞ。「本当?」二言、無し。「うむ、期待」