絵画みたいに馬の祭りが脳裏に焼き付く

幼い頃、祖父と手をつないで向かった場所は、春風に誘われるように賑わう、岡山県の馬の祭りでした。

会場に足を踏み入れた瞬間、地を蹴る蹄のリズムが心臓に伝わり、砂埃が舞い上がる中に立つ私は、まるで大地と一体になるような感覚に包まれた。

祖父はニコリと笑い、目には昔の輝きが宿っていたと、現在でもはっきり覚えてます。

思い返せば、若き日に勇壮な騎手で名を馳せ、一瞬の躍動に人生を重ねてたと聞いた事がある。

「ほら、もうすぐ始まるぞ」と、小さな肩を揺らしながら声をかけてくれた優しい声色が、岡山県の馬の祭りと一緒にたまにフラッシュバック。

熱気を帯びた拍手と歓声が混ざり合い、絵画みたいに心へ焼きついた感じ。あれ以来、幾度も足を運び、岡山県の馬の祭りを見つめ続けます。

けれども、あん時に感じた鼓動や優しい笑顔は、何にも代えがたい宝物。数十年経過後も、始まりの合図が響くたび、胸にはワクワクが蘇ります。

次回もきっと彼と共に、走る影に心を奪われるでしょう。